一日一楽

2024年春、セカンドライフが始まりました。

侮れないストレス

夫は現役時代、年中ではないけれど、ある一定期間終電に乗れなかったり徹夜になったりする働き方をしていた。また、外部からの苦情を受ける窓口的な部署にいたこともある。

家で仕事の愚痴を言うことはほとんどない人だったけど、心身ともにストレスは溜まっていただろうと思う。

 

疲れてくると、話し方が刺々しくなる。こちらがごく普通に話しかけても、返答が面倒くさそうだったり「あ?何?」みたいに喧嘩腰だったりする。

よく私は人から気配があまりしないと言われるんだけど、洗面所で顔を洗っている夫に用があって近寄ったら、夫が私に気づいてビクッとして「わざと驚かすようなことをするな」と怒られたことがある。こちらとしては普通に近寄っただけで、驚かそうなんてこれっぽっちも思ってなかったのだけど、ストレスマックスの時期の夫にはそう感じられたのだろう。

 

最後の方の数年に夫がいた部署に、パワハラするというので評判の悪い上司が異動してきた。夫自身は標的にならなかったけど、他の人が標的になっているのを近くで見る羽目になり、不快な思いをした。

その頃から夫が蕁麻疹に悩まされるようになった。ズボンのウエスト部分や靴下のゴムの部分など、体を締め付けるような場所にブワーッと赤く蕁麻疹ができるのである。

また、夫の方が早く寝て私が後から寝室に行くんだけど、その時期は夫の歯ぎしりがひどかった。

 

その数年が「もう仕事はいいかな」と決心させる直接的なきっかけになったのであろう、昨年は少し楽な部署に異動になったんだけど、定年まで数年を残してこの春早期退職した。

 

リタイアしてからの夫は、仕事でストレスを抱える前のように穏やかに話すようになり、ときにはちょっととぼけたことを言って家族を笑わせたりもする。リタイアして他に話す人がいないからというのもあるだろうけど、会話も増えた。

あれほどしつこく出ていた蕁麻疹は、今はもう出ないそうだ。

相変わらず早めに就寝するので、私の方が後から寝室に行くんだけど、もう歯ぎしりの音は聞こえない。

 

ストレスがなくなるだけでこんなに違うんだなぁと実感している。

よく何か不調が出ると「ストレスじゃない?」なんて言って、簡単にストレスのせいにするよね~なんて思うこともあるけど、ストレス、馬鹿にできないなと思う。